2024シーズンの機体紹介

お詫び

東日本大会前の限界開発により力尽き,そして修論の発注を急いでいたため,投稿が間に合いませんでした.大変申し訳ありません.

これはマイクロマウスAdvent Calendar2024の22日目のはずだった記事です.

adventar.org

昨日はyukiさんの「マイクロマウスタックチャンハーフ化計画」でした.スタックチャンはかわいいのでいずれ作ってみたいですね.

今シーズンは去年12月に作った旧作"Nightfall"に加え,新作クラシックマウス"Nightfall-Lite"と(ほぼ)初めて作ったマイクロマウス"CyberRat"を製作し,大会に出場していました.どちらもそれなりに走るようになったので,これから機体を作る人の参考になればと思います.各機体について多少工夫のある部分のみ解説していますが,他にも知りたい箇所があればTwitterDiscordで聞いて貰えればと思います.

クラシックマウス"Nightfall-Lite"

戦績

九州地区大会:  9'538 優勝 学生大会:  4'052 2位 東日本地区大会:  5'835 4位

概要

前作"Nightfall"を軽量化してより速く走れるようにした新機体です.最近流行りの軽量低イナーシャな2輪機で,パーツ構成は全日本大会で上位だった"XM-702 Carmine",全体的な機体の作りは"雪風8AS"を参考にしています.回路は前作からほぼ変更しておらず,前作のソフトがほぼそのまま使えます. まだ斜め走行ができておらず大回りのみでこのタイムと順位なので,機体性能としてはそれなりに高く作れたのかなと思います.斜め出来ないようなやつが入賞してしまうとは,やはり時代はハーフマウス... 現状のそれなりに走れる最高パラメータは 直進最高速度: 5.0m/s 直進加速度: 28.0m/ss 小回りターン: 1.4m/s 大回りターン: 2.2m/s です.学生大会の最速タイムはこれだったはずです.

基板

へえ,こんなんで動くんだ...(適当

モーターマウント

雪風のものを参考に設計し,JLCPCBのPOM切削で発注しました.ミスミMeviyと比べて仕上がりの個体差は大きいものの,より細かく複雑な形状まで対応してくれるので,マウスの部品を作るのには使いやすいと思います.左右合わせて$45ぐらいでした.(為替レートの影響で予備機の方がちょっと高い) モーターはカプトンテープを巻いてキツさを調整しながら押し込んで固定,エンコーダはそのまま押し込んで固定しています. ホイール軸,基板,ファンマウントの固定はM2/M3の下穴をあけるように発注し,手動でタップを切りました.固定用なら問題ありませんが,ホイール軸はタップ切りを上手くやらないと傾くので,他の方法を考えた方が良いかもしれません.

モーター

8520サイズで,AliExpressで購入したもの. 理論的なモーター選定は行っていないのですが,以下3点を考慮して選びました.個体の選別はしていません. ・定格7.4V...電流が流れすぎなくて使いやすそうな気がする ・ギヤを通して減速する用途のもの...雪風が小型RC飛行機用のギヤ付きのものを使っていたので,プロペラを直付けする用のものより高トルクで良いのかなという想像 ・軸の軸方向の遊びが少ない...機械的な作りが良さそうな気がする

ギヤ

XM-702と同じ構成です.バックラッシは0.1mmで設計し,特に問題なさそうです. モーター側: M0.3 15T t2.0 真鍮 KKPMOで発注 ホイール側: M0.3 71T t2.0 POM ミスミCナビで発注 エンコーダ: M0.3 29T t2.0 POM ミスミCナビで発注 エンコーダのギヤはミスミだと穴径の小さいものが変えないので,3Dプリント製のスペーサーを挟んで使っています.

ファン

直径30mm,高さ5mmで,DMM.makeの高精細アクリルで発注しました. 基板のファン下部分に部品はありませんが,ダクト付きの形状にすることでクラッシュ時にファンの羽と基板が当たってファンが割れるのを防止しています.実際,フェイルセーフが上手く機能しない状態で吸引走行を行ってクラッシュしてもファンが割れることはありませんでした. モーター軸との固定は圧入+接着剤(ロックタイト480)で,穴径はモーター軸径-0.03mmにしました.

ファンマウント

t1.2mmのPCBと3Dプリント部品(MJF PA12)を組み合わせています.プリント部品には薄い底面(0.8mm)があるため,ファンモータが緩んで落ちることはありません. モーターとプリント部品は接着(ロックタイト480)し,プリント部品とPCBはプリント部品に下穴をあけて発注してタップを切りM2ねじでPCBに固定しています. また,PCBに別のプリント部品を接着し,これによってバッテリーを走行モーターとの間で挟み込んで固定しています.

マイクロマウス(旧ハーフサイズ)"CyberRat"

戦績

九州地区大会:  8'005 11位 学生大会:  7'073 8位 東日本地区大会:  9'042 8位

概要

DCモータ搭載のマイクロマウスとしては初めて製作した機体です.ハーフサイズで多く使われている磁気式エンコーダは実用にするのに様々なノウハウが要ると聞くので,既製品の光学式エンコーダを使うことでこれを回避して手っ取り早く走るようにしたいという狙いでした.機体性能は大した事ないので上位には入れませんが,毎回最短走行を成功させており,目標としていたちゃんと走るハーフマウスにはなれたと思います. 基板面積を広く取れる設計でクラシックマウスと同じマイコンを搭載しており,ほぼ共通のプログラムで走ることが出来ます.(なので恐らく32x32だと探索が計算量溢れてダメ) 同様の既製品光学式エンコーダを搭載した機体として,"小天旋2 verMTL”を参考にしています.あとはBeeClone.

基板

パスコンの置き方が終わってるけど意外と普通に動いた.

モーターマウント

DMM.makeの高精細アクリルで作りました.クラシックと同様に,モーターはカプトンテープを巻いてキツさを調整しながら押し込んで固定,エンコーダはそのまま押し込んで固定しています.ネミコン7Sエンコーダ(やMTLの6mmのもの)は軸にベアリングが入っているので,エンコーダ軸に直接ホイールを差し込み,ホイールマウントを兼ねています.

モーター

何となく機体幅が狭い方が走りやすくて良いかなという理由で610サイズのアリエク謎モーターを使いました.しかし,同仕様のはずなのに挙動の全然違うハズレモーターがあったり,そもそもトルク不足ぎみだったりするので,大人しくMk06とかを使った方が良さそうです.

ギヤ

モーター側: M0.3 9T t2.0 真鍮 RTで売っている ホイール側: M0.3 35T t2.0 POM ミスミCナビで発注 今ならZilconia v2用のギヤがRTで売っているので,それを使うのが良い気がします.

まとめ?

という感じで,今シーズンの機体紹介でした.シーズンというと全日本大会が残っていますが,去年と違って流石にもう新しいのは作らない予定です.多少の改修はしたいかもですが...

明日(もうとっくに数日前)の記事はエアプ回路レビュワーさんの「小容量・小型LiPoバッテリーの研究とスポット溶接」です.自分も初めてハーフマウスを作ってLi-Po選び難しいなぁとなったので,参考にしたいと思います.お楽しみに.